何故、千反田えるは可愛いのか。
今日は彼女について考えてみたい。
千反田えるとは?
千反田 える(ちたんだ える)とは
テレビアニメ『氷菓』のヒロインで
豪農、千反田家の一人娘である。
物語の舞台となる神山高校の生徒でもある彼女は
「わたし、気になります!」のセリフ一発で、2012年上半期深夜アニメ視聴者の疲弊した心をわしづかみにし、ファンからは親しみを込めて「えるたそ~」と呼ばれている。
「〇〇たそ」は「たん→タン→タソ→たそ」の変化である。
アニメ内では「チタンダエル」とも呼ばれる。「まるで天使のような可愛さ」という意味が込められている。※嘘。詳しくはアニメ第6話参照。
ちなみに、聖書に出てくる天使は一説によると全て男である※本当。
・身長160cm。
・古典部部長。
・成績は学年トップクラス。
・誰に対しても「敬語」
・黒髪ロングに、紫の瞳。
・嗅覚・聴覚などの五感は犬なみ。
・人懐っこい。
中の人は、テレビアニメ『けいおん!』でドラム娘りっちゃんを演じた、佐藤聡美さん。
アニメ内では、序盤、中盤、終盤、と隙のない可愛さをみせる。
「可愛さ」の理由が知りたい
かわいい(可愛い)とは、愛らしい、愛すべきもの、そういった趣のあるものに心をひかれ、大切にしたい様を表す言葉である。(中略)男性の用いる「かわいい」と女性の用いる「かわいい」の間には越えられない溝がある、というのもよく言われる話。
かわいいとは (カワイイとは) [単語記事] – ニコニコ大百科
1.外見
目の大きさ、顔のパーツの位置など、キャラクター・デザインが可愛い。絵の専門的な知識は皆無だが、とにかく可愛い。
正義の黒髪ロング
黒髪ロングヘアーは「清楚」の代名詞。
他の作品を見てわかる通り…
中には例外もあるが、
現実の黒髪ロングはともかく、二次元の世界において「黒髪ロング」に背負わされたイメージはとても重い。
可愛さ + 黒髪ロング
それに加え「農家の娘」「丁寧語」など、古き良き「日本人女性」の重みも乗っかり、大和撫子が誕生した。
2.表情
美人系ヒロインには最初「無感情・無表情」なキャラも多い。のちにデレとして昇華させ、ギャップ萌えさせる技の一つである。
アニメで見た「千反田える」の記憶も、時とともに「清楚でいつも微笑をたたえている」というイメージに変換されかねない。しかし、実際は違う。彼女は作品の中でいろんな表情を見せてくれる。横にいつも、感情を失くした折木奉太郎がいるので、余計にそう見えるのかもしれない。
アニメで「感情表現豊か」というと、「おてんばドジっ子キャラ」など、精神的に子供っぽいキャラクターも多い。
一方、千反田えるは「和風美人」「お嬢様」と、ほとんどプラスの組み合わせで「かわいさ」の演出に成功している。
3.しぐさ
しぐさの破壊力。声とのギャップ。
声を担当する佐藤聡美さん。今回の千反田える役に関しては、いわゆる「萌え系の声」ではない。清楚さを感じるすばらしい声。
「声」と「時折見せる子供っぽいしぐさ」のギャップが、うまい。そしてかわいい。京アニは、何かかわいさの法則を知ってしまったに違いない。
音声オフにして仕草単体で見ると、ややあざとく見えてしまう。しかし、声と動き、アニメの流れでみると、うまく調和して「あざとさ」が「かわいさ」の中に溶けてしまう。
4.距離感
とにかくパーソナル・スペースが狭い。「あざとい」と思われる…ギリギリのラインだと私は信じたい。
主人公目線で見ると、そこには…
恋愛偏差値50の男子高校生なら、平常心ではいられるはずがない。視力は良いはずなのに、何故こんなにも近いのか。
もはやあざとくてもいい。
キスやハグの描写は見慣れすぎた感がある。しかし、こういったシーンは妙にドキドキする。心の臓がドキドキしたあなたは、もうすでに千反田えるの可愛さにやられている。
さすがの京アニである。
5.言葉遣い
敬語の魔力。
メイドに萌える理由の一つは、言葉遣いにある。言葉の上下関係から生まれる萌え。女子高生、しかも同級生が敬語。千反田えるの可愛さを形づくる、重要な要素である。
「もしもし。ち・・千反田です。
あの、すいません・・もしかしてお休みでしたか?
できれば今日、お会いしたいんですけど
折木さんに折り入って、お話したいことがあるんです。」
はい、会います、すぐにでも。
彼女の言い回しには、品が漂う。
「お呼び立てして、すみません。」
どこの田舎の女子高生が、こんな言葉を使うだろう。彼女の萌えには、深みがある。
6.女子力
豪農千反田家で育ったことで、自然に身についた「女子力」の高さ。作品内では、彼女の女子力が嫌味なく描かれている。
第十四話「ワイルド・ファイア」での見事な桂剥き。
「大根」だから良い。
「リンゴの皮むき」ではなく大根なのだ。
家庭的。しかも、桂剥きという普通の主婦でも中々やらない技。技術は板前の領域。
こんなすごい技を見せられた直後に「ご飯を炊くのを忘れかける」というドジっ子要素も忘れない。そして、お米は「拝み洗い」。
そう。
「可愛い」は「か弱い」ことでは無いのだ。
「気づかい」も魅力の一つ。
第四話「栄光ある古典部の昔日」では、お腹をすかした里志を見て、「おにぎりでよければ作りますよ。皆さんもどうですか」の一言。
とても自然な振る舞い。「いつもやっている感じ」がにじみ出ている。
付け焼刃でない女子力が、ここにある。
また、周りの人に何か起こると、すぐ心配になる。アニメではよくある設定だが、「設定」などという汚いメタ思考を忘れてしまうくらい、「何とかしたい!」という優しい気持ちが、画面を通して伝わってくる。
「何とかしたい!」という気持ちが全く伝わってこない折木も、結局は千反田えるに協力することになる。
周りを気づかう天使のような優しさ、女子力の枠を超えた人間としての魅力も、性別を問わず彼女が愛される理由の一つだ。
7.佐藤聡美
結論を言いたい。
なんだかんだ言って、千反田えるの可愛さの半分以上は佐藤聡美さんの声だ。
いろいろと意見はあると思うが、私の言いたいことは
「佐藤聡美で、よかった」
ということ。
声の魅力を文字で表すのは難しいが、それでもあえて説明するなら、「腹から出さない声」。
佐藤聡美さんが過去に担当したキャラクターに「田井中律」がいる。京都アニメーション製作のテレビアニメ『けいおん!』。ドラム担当の、おでこちゃん。以下、りっちゃんと呼ぶ。
りっちゃんと千反田えるの声優が同じ人だと知って、少なくとも私は驚いた。声の出し方が違う。
元気な「りっちゃん」の声も好きだ。
しかし、優しく息を吐くような千反田えるの声は、唯一無二だと私は感じる。
耳元でささやかれているような、心地よい声。ヘッドホンで聞くとたまらない。まさに、千反田えるのパーソナルスペース、距離感が感じられる。
氷菓ラジオ「古典部の屈託」も心地よかった。
以上が、「千反田えるが、かわいい理由」である。異論はあってしかるべき。だが議論はしたくない。
千反田えるはかわいい。
それだけを伝えたい。
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